#3927 中国が西沙諸島に地対空ミサイル配備

Report: China Deploys Surface-to-air Missiles to Paracel Island

The Chinese government has deployed surface-to-air missiles as well as a radar system to one of the disputed Paracel Islands in the South China Sea, U.S. media reported.

■チェック

・deploy  ~を配備する
・surface-to-air missile  地対空ミサイル
・radar system  レーダーシステム
・disputed  係争中の
・Paracel Islands  パラセル諸島、西沙諸島

■対訳

「報道: 中国が西沙諸島に地対空ミサイル配備」

米メディアが、中国政府は南シナ海にある係争中の西沙諸島のひとつに、地対空ミサイルおよびレーダーシステムを配備したと報じた。

■訳出のポイント

deploy は主に軍事用語として使われる語で、部隊などを 「配置する」「展開する」、あるいは兵器などを 「布陣する」 「配備する」 という動詞。

deploy A to B で 「A をBに配置する」 「A をBに配備する」という言い方になります。

surface-to-air は直訳すると 「地上から空へ」。

ミサイルや通信などが 「地対空の」 という意味で用いられます。

surface-to-air missile は 「地対空ミサイル」 で、SAM とも呼ばれます。

そこで、タイトルでは

deploy surface-to-air missiles to Paracel Island で

「西沙諸島に地対空ミサイルを配備する」 ということです。

disputed は 「議論する」 「異議を唱える」 などの意の動詞 dispute の過去分詞が形容詞化した語で、「争点と成っている」 「紛争中の」「係争中の」 などの意。

英字新聞では、

disputed area 「係争地域」、

disputed country 「紛争国」

などの表現でしばしば登場します。

ここでは、one of the disputed Paracel Islands で

「係争中の西沙諸島のひとつ」 ということです。

今回、中国が地対空ミサイルおよびレーダーを配備したのは、南シナ海の西沙諸島のひとつで、中国が実効支配している Woody Island 「永興島」。

この島に対しては、ベトナムと台湾も領有権を主張しているので、 disputed 「係争中の」 という表現が使われているわけです。

このニュースは、米FOX ニュースが、民間の衛星写真に基づく分析として伝えたもの。

その後、ロイター通信も、米国防衛当局者が配備を確認したと報じています。

南シナ海では、今回話題になっている西沙諸島を中心に、近年中国が軍事拠点化を進めており、同地域での緊張の高まりが懸念されていますね。

また、折しも報道の同日、米オバマ大統領と東南アジア諸国連合(ASEAN) 10首脳らが会議を終えて共同声明を発表。

南シナ海問題については、一方的な領有権強化や海洋進出を進める中国を念頭に(ただし名指しは避けています)「航行の自由」 を維持し、米国とASEAN が連携して中国の強硬姿勢に対抗する姿勢を明示しています。

■編集後記

西沙諸島の軍備について中国は、あくまでもルールに則った防衛であり国際法を侵すものではないと主張していますが、中国船が民間の船に体当たりで衝突したりという事件が頻発しています。どう考えても、国際法を侵しているとしか思えませんが・・・

 

(裏)昨夜の麻婆豆腐の残りを朝ごはんに食べました(笑