#4120 スイス、早期の脱原発を否決

Switzerland Votes Against ‘Quick Exit’ from Nuclear Power

People of Switzerland voted in a referendum on Sunday to reject a speedier exit from the nation’s five nuclear power plants.

■チェック

・vote against  ~に反対する投票をする、~に反対票を投じる
・quick exit from nuclear power  原子力からの迅速な脱却 → 早期の脱原発
・referendum 国民投票
・reject ~を否決する
・nuclear power plant 原子力発電所

■対訳

「スイス、早期の 『脱原発』 を否決」

日曜日に行われたスイスの国民投票で、国内に5基ある原子力発電所の運転停止の時期を早めることが否決された。

■訳出のポイント

動詞 vote は 「投票する」。

vote against ~ で

「~に反対して投票する」 → 「~に反対票を投じる」

という言い方です。

今日のタイトルのように、主語が特定の国、あるいは国民になっている場合は、

「(国民が)~に反対票を投じる」 → 「(国民が)~を否決する」

の意味合いになっています。

また、本文で登場しているように

vote to reject ~ という形でも

「~を拒否する投票をする」 → 「~を否決する」

ということです。

exit は 「出口」 という意味でおなじみの名詞ですね。

「出ていくこと」 「去っていくこと」、

つまり 「退出」 「退去」 などの意、

あるいはプログラムなどの 「終了」、

特定の状況などからの 「脱却」

と言った意味でも使われる語なので、確認しておきましょう。

今日のタイトルでは

quick exit from nuclear power なので

「原子力からの迅速な脱却」 → 「迅速な脱原発」 → 「早期の脱原発」

ということです。

また、この quick exit は、本文では a speedier exit と言い換えられています。

こちらは、直訳すると 「より素早い脱却(=終了)」 ですね。

そして、from nuclear power の部分も、より具体的に

from the nation’s five nuclear power plants

「同国の5基の原子力発電所からの」

と記述されています。

そこで、本文全体を直訳すると

「スイス国民は日曜日に、国民投票で、同国の5基の原子力発電所のより素早い終了を拒否する投票を行った」

となります。

これを、わかりやすい日本語に意訳すると

「日曜日に行われたスイスの国民投票で、国内にある5基ある原子力発電所の運転停止の時期を早めることが否決された」

という対訳になるわけです。

スイスで、国内にある5基の原子力発電所の運転停止時期を早めることの是非を問う国民投票が実施されました。

その結果は、54.2%の反対多数で否決。

スイスで稼働中の原発5基は国内の電力の約40%を担っていますが、東日本大震災による福島第一原発の事故を受け、スイス政府は2050年までに脱原発を進め、再生可能エネルギーによる発電への移行を表明していました。

現存の原子力発電所の運転終了期限を具体的に示した野党の提案に対して行われた今回の国民投票。

電力不足や化石燃料への依存が高まることを懸念などから、「時期尚早」 との反対票が勝る形となりました。

■編集後記
これほど脱原発に世界が動いているというのに、自然が豊かなスイスで脱原発の動きが否決されるというのは意外です。まだスイスには行ったことありませんが一度行ってみたいです。

 

(裏)やはり夜は冷えますなー(笑)鍋か!?