#5315 性別Xのパスポートを初めて発給

U.S. Issues First Gender X Passport

The United States issued its first U.S. passport with an “X” gender marker, offering a third option for individuals who do not identify as female or male.

 

■チェック

・issue passport パスポート(旅券)を発給する
・gender (marker)     性別(表示)
・offer a third option 第三の選択肢を提供する
・individual(s) 個人、人
・identify as ~と特定する

 

■対訳

「米、性別『X』のパスポートを初めて発給」

米国は、性別が『X』と表示された同国のパスポートを初めて発給した。女性あるいは男性と特定しない人たちにとって、第三の選択肢となる。

 

■訳出のポイント

gender 「ジェンダー」 は

社会的、文化的役割としての「性」

を意味する名詞。

生物学上の「性」である sex と対比される語ですが、直接的な表現を避けるために、その婉曲表現としても用いられます。

今日の場合は、

パスポートの「性別欄」の「性」「性別」

という意味になっています。

marker は

「目印」「指標」「標識」

という名詞で、

gender marker だと

「性別(として表示された)標識」→

「性別表示」「(記載された)性別」

といった意味になります。

そこで、

U.S. passport with an “X” gender marker

の部分は

「『X』という性別表示のある米国パスポート」→

「性別が『X』と表示された米国パスポート」

ということですね。

本文前半の

The United States issued its first U.S. passport with an “X” gender marker

を訳すと

「米国は性別が『X』と表示された初めての米国パスポートを発給した」 →

「米国は、性別が『X』と表示された同国のパスポートを初めて発給した」

というわけです。

option は

日本語でも「オプション」として浸透していますが、

「選択」「選択肢」「選択権」

を意味する名詞。

offer a third option で

「第三の選択肢を提供する」

という言い方になっています。

individual はもともと

「ここの」「個別の」「別々の」→「個人の」「個人的な」

という形容詞。

ここから

集団、社会に対する「個人」

それぞれ、異なる個性を持つ「人」「人間」

といった意味の名詞としても、しばしば使われます。

本文末尾の

individuals who do not identify as female or male

では

「女性あるいは男性として(自分を)特定しない人たち」

ということですね。

米国のパスポートでは、性別欄に

M (= male)「男性」

あるいは

F ( =female )「女性」

と記載されています。

それが今回は、 M でも F でもない X と表示されたパスポートが初めて発給された、というニュースでした。

The State Department 「米国務省」によると、

性別に「X」を選択できる制度はパスポートだけでなく。海外在住の米国民などに発行する出生証明書にも適用され、2022年初めまでには一般利用が可能となるそうです。

また、同省によると、これまでは出生証明書の表示と異なる性別を表示するには医学的な証明が必要とされていましたが、米国籍保持者はパスポートに記載する性別を自分で選択することが許可された、ということです。

 

■編集後記

あらゆる意味で多様化の時代・・・今後は性別も自分で選択できるようになっていくのでしょうか? パスポートの性別欄に男女以外の「その他」の選択肢がある国は、すでに世界で10カ国以上あるそうで・・・少し驚きました。

今日の動画
https://youtu.be/6iVmuwMtmKY

昨日の動画(眞子内親王がご結婚)
https://youtu.be/5NXEPrFQI0o

 

(裏)youtuber、マッチョさんの動画を見てラフマニノフのピアノ協奏曲2番に挑戦してみたくなりました・・汗