#5393 核戦力を特別警戒体制に

Ukraine Invasion: Putin Puts Nuclear Forces on Special Alert

Russian President Vladimir Putin ordered its nuclear deterrent forces put on special alert on Sunday amid a dramatic escalation of East-West tensions over its invasion of Ukraine.

 

■チェック

・invasion 侵略、侵攻
・put (~) on special alert (~を)特別警戒態勢に置く
・nuclear (deterrent) forces 核(抑止)戦力、部隊
・dramatic escalation 劇的な高まり
・East-West tensions 東西緊張

 

■対訳

「ウクライナ侵攻: プーチン氏核戦力を特別警戒体制に」

ロシアのウクライナ侵攻をめぐり東西の緊張が劇的に高まる中、ウラジーミル・プーチン露大統領は日曜日、核抑止部隊に特別警戒態勢を取るように命じた。

 

■訳出のポイント

force はもともと

物理的な 「力」 「強さ」 「勢い」

を意味する名詞。

しばしば (the) force

あるいは

(the) forces と複数形で

「軍事力」 「兵力」 「武力」

および

「軍隊」 「部隊」 「艦隊」

という意味で使われます。

今日の記事では

nuclear forces (タイトル) で

「核戦力」「核部隊」、

nuclear deterrent forces(本文)で

「核抑止部隊」

となっています。

put は

物などを 「置く」

という意味の基本動詞としてよく知られているかと思います。

今日の場合は

物、人を 「ある状態に置く」 「ある状態にさせる」

という意味で登場しているので注意しましょう。

on alert は

「警戒して」 「警戒態勢で」

という表現なので、

on special alert だと

「特別に警戒して」 → 「特別警戒態勢で」

となります。

そこで、

put on special alert は

「特別警戒態勢の状態に置く」 →

「特別警戒態勢を取る」 「特別警戒態勢に入る」

という言い方になるわけです。

また、

put ~ on special alert だと

「(~を)特別警戒態勢に置く」 →

「~に特別警戒態勢を取らせる」

となっています。

escalation は

「増大」 「拡大」 「上昇」。

本文後半の amid … 以下は

直訳すると

「その(=ロシアの)ウクライナ侵攻をめぐっての東西の緊張の劇的な増大の中で」。

つまり

「ロシアのウクライナ侵攻をめぐり東西の緊張が劇的に高まる中」

ということですね。

プーチン露大統領は27日、NATO 首脳らによる非難声明と西側諸国の対露経済制裁を受け、核戦力を含む核抑止部隊を特別警戒体制に置くよう、軍司令部に命じました。

ここで言う

nuclear deterrent forces 「核抑止部隊」 は

核を含む各種兵器により敵の侵攻を抑止したり、撃破したりするための部隊を指すとみられ、その中には

ICBM (intercontinental ballistic missile)

「大陸間弾道ミサイル」や

赤外線、レーザー、レーダー、人工衛星などで誘導されるミサイルの

precision guided munition 「精密誘導兵器」

などが含まれます。

こういった戦略核の使用準備を公言すれば、核大国間の緊張がさらに高まるのは必至でしょう。

ウクライナ侵攻が、米国・ソ連間で核戦争の一歩手前まで行った1962年の

Cuban Crisis 「キューバ危機」

以来の切迫した状況にならないことを願います。

 

■編集後記

ロシアとウクライナがベラルーシでの停戦交渉に合意しました。核をちらつかせた直後に交渉テーブルに着くところなど、プーチンらしいですね。それにしてもプーチンに対する世界の評価はこれで一気に下がりましたね。

今日の動画
https://youtu.be/u5NTGys_7FU

 

(裏)暖かくなってきました。桜のつぼみも膨らみ始めている感じがします。