#5496 中国のロケット残骸落下

Debris from ‘Uncontrolled’ Chinese Rocket Falls back to Earth

Debris from a large Chinese rocket Long March 5B made its uncontrolled re-entry into the Earth’s atmosphere on Saturday over the Indian Ocean, US Space Command said.

 

■チェック

・debris 残骸
・uncontrolled 制御されていない
・fall back to ~に落ちて戻る
・Long March 5B 【中国】長征5号B
・make one’s re-entry into the Earth’s atmosphere
地球大気圏に再突入する
・Indian Ocean インド洋
・US Space Command 米宇宙軍

■対訳

「中国のロケット残骸、地球へ『無制御』落下」

中国の大型ロケット『長征5号B』 の残骸が、土曜日に無制御の状態でインド洋上空で地球大気圏に再突入した。米宇宙軍が伝えた。

 

■訳出のポイント

debris の語源は「粉々にする」 という古仏語 debrisier 。

ここから、破壊されたものの 「破片」 「瓦礫(がれき)」 「残骸」を意味する名詞となっています。

フランス語を語源とする単語のため、末尾の s はsilent 「無声」 「発音されない」ことにも注意しましょう。

英字新聞では、飛行機墜落事故、災害による建物の崩落などのニュースでしばしば登場する単語です。

今日の場合は、打ち上げ後に切り離されたロケットの 「残骸」という意味になっています。

名詞 entry は「入ること」 の意。

「入場」 「入国」 「入会」 「入学」など様々な “入ること” を指して用いられます。

今日の場合はentry to the Earth’s atmosphere「地球大気圏への突入」 →re-entry to the Earth’s atmosphere「地球大気圏への再突入」となっています。

さらに、Made its uncontrolled re-entry to the Earth’s atmosphere

なので「地球大気圏への制御されていない再突入をした」 →「無制御の状態で地球大気圏に再突入した」というわけですね。

ちなみに、atmosphere は【atmo-(空気の)+ -sphere(球、圏)】という成り立ちで、

地球または天体を取り巻く 「大気圏」を意味する名詞となっています。

ここから「雰囲気」 「周囲の状況」 「環境」 「ムード」という意味にも使われることも、確認しておきましょう。

7月24日に中国が打ち上げた大型ロケット 『長征5号B』 の残骸が、インド洋上空で大気圏に突入した、と米宇宙軍が発表しました。

人口密集地を避けるような制御はされずに (=uncotrolled)フィリピン近海に落下したと見られます。

今回落下したのは切り離されたロケットの第一段部分で、重さは約23トンと推定されています。

中国は昨年大型ロケットを打ち上げた際にも、残骸落下の制御はされず、インド洋のモルディブ付近の海域に落下していました。

NASA 長官は30日、”All spacefaring nations should follow established best practices, and do their part to share this type of information in advance to allow reliable predictions of potential debris impact risk”

「宇宙開発に関わるすべての国は、最良の慣行に従い、宇宙ゴミ衝突リスクの予測を可能にするような情報を事前に共有するという役割を果たすべきだ」と声明を出し、中国を批判しています。

 

■編集後記

ロケットの残骸が人が住む地域に落下する確率は極めて低いとは言いますが、決してゼロではありません。自分を含めて、地球上の人間、生物の全てが知らないうちに、不可抗力的にリスクを負わされているのですね・・・

今日の動画
https://youtu.be/8ZAhtxW35ZE

 

(裏)明日から長岡花火見に行ってきます!