#4269 パリ協定めぐり米国以外の19カ国が結束

G20 : 19 Nations Unite over Paris Agreement, Except US

The leaders of 19 nations, except the US, at the G20
Summit in Hamburg, Germany, have affirmed their
commitment to the Paris Agreement on climate change, highlighting the isolation of the US.

■チェック

・unite ~で結束する
・commitment to (the) Paris Agreement パリ協定の順守
・except ~を除く
・affirm ~を確認する、支持する
・climate change 気候変動
・highlight ~を浮き彫りにする
・isolation 孤立

■対訳

「G20サミット:パリ協定めぐり米国以外の19カ国が結束」

ドイツのハンブルグで行われていた主要20カ国・地域首脳会議で、米国を除く19カ国の首脳が気候変動に関するパリ協定の順守を確認した。米国の孤立が浮き彫りになった形だ。

■訳出のポイント

G20 は Group of 20 の略で、

「主要20カ国(および地域)」の意。

summit が 「首脳」 なので、

G 20 summit は

「主要20カ国・地域首脳会議」

ということです。

Paris Agreement 「パリ協定」 は、

正式には

Paris Agreement under the United Nations Framework Convention on Climate Change

「気候変動枠組条約締約国会議におけるパリ協定」

と言います。

パリで開催された第21回気候変動枠組締約国際会議において、2015年12月12日に採択された、気候変動抑制に関する国際協定。

2020年以降の地球温暖化対策を定めたものです。

1997年に採択された京都議定書以来、18年ぶりの気候変動に関する国際的枠組であり、「気候変動枠組条約」

United Nations Framework Convention on Climate Change

に加盟する全196カ国が参加する、世界初の枠組みとなっています。

Paris (climate) accord

あるいは

Paris climate agreement

などのように呼ばれることも多いので、合わせて確認しておきましょう。

今日のタイトルでは

19 nations unite over Paris Agreement  で

「19カ国がパリ協定をめぐって結束する」

ということです。

また、except は 「~を除いて」 「~以外」 という前置詞なので

末尾の except US を加えると

「米国を除く19カ国が・・・」 「米国以外の19カ国が・・・」

となっています。

日本語でも 「コミットメント」 という言葉が浸透していますね。

語源である英語の commitment は、

「かかわりあうこと」、「ゆだねること」 「委託」 「委任」、

あるいは

「言質を与えること」 「公約」 「誓約」 「約束」

などの意です。

つまり、

「責任をもって関わること」 「責任をもって関わることの明言」「責任を伴う約束」

といった意味になっています。

そこで、

commitment to the Paris Agreement on climate change

の部分は

「気候変動に関するパリ協定に責任をもって関わること」。

have affirmed their commitment to the Paris
Agreement on climate change で

「気候変動に関するパリ協定に責任をもって関わることを確認した」 →

「気候変動に関するパリ協定の順守を確認した」

というわけです。

highlight はもともと、写真や絵画における

「最も明るい部分」 「明部を強調するために塗る白などの部分」「ハイライト」

を意味する名詞です。

ここから、

「~に明るい光をあてる」→「~を目立たせる」「~を強調する」→

「~を浮き彫りにする」「~を鮮明にする」

といった意味の動詞にもなっています。

今日の本文の末尾では

highlighting the isolation of the US  で

「米国の孤立を浮き彫りにする」 → 「英国の孤立が浮き彫りになる」

ということです。

対訳では、この部分を独立させ

「米国の孤立が浮き彫りになった形だ」

と訳しています。

ドイツ北部ハンブルクで開かれていたG20サミットは、8日に首脳宣言を採択して閉幕。

その中では、米国以外の19カ国が結束して地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に取り組むことが明記されたことで、米国の孤立が浮き彫りになりました。

米国のパリ協定離脱については、地球温暖化についての討議では、米国のパリ協定離脱について各国から発言が集中する中、トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領との会談のため、途中で離席。

米国と他国との亀裂が、もっとも鮮明になった瞬間ではないでしょうか。

■編集後記

トランプ氏は、8日に予定されていた記者会見をキャンセルしたそうです。今回のサミットにより、トランプ大統領の「アメリカ第一」方針のおかげで、アメリカの孤立が鮮明になるとともに、各国がアメリカの対応に困っている様子も明らかになったのではないかと思います。

 

(裏)今日は朝から撮影です。