#3933 シャープ、鴻海の支援受け入れ

Sharp Accepts Hon Hai Rescue

Troubled Japanese consumer-electronics giant Sharp has accepted a \700 billion ($6.2 billion) rescue package from Taiwan’s Hon Hai Precision Industry instead of a counteroffer by sovereign wealth fund, Innovation Network Corp. of Japan, media reported.

■チェック

・troubled     経営危機の
・accept a rescue (package)    支援(提案)を受け入れる
・consumer-electronics giant    家電大手
・Hon Hai Precision Industry    鴻海(ホンハイ)精密工業
・counteroffer     対案、逆提案
・sovereign wealth fund    政府系ファンド
・Innovation Network Corp. of Japan    産業革新機構

■対訳

「シャープ、鴻海の支援受け入れ」

経営危機に陥っている日本家電大手のシャープが、政府系ファンドの産業革新機構による対案ではなく、台湾の鴻海精密工業からの7000億円(62億ドル)規模の支援提案を受け入れたと、マスコミが伝えた。

■訳出のポイント

rescue はもともと 「救う」 「救助する」 という動詞で、「救助」 「救出」という名詞としても頻出です。

今日の場合は、経営危機に陥っている企業を倒産・破産から 「救助すること」の意味で、「支援」 「援助」 というニュアンスで登場しています。

troubled は 「問題を抱えた」 「困った」 という形容詞。

今日の記事のように、企業・組織に関して使うと、「経営問題を抱えた」「経営難の」 「経営危機に陥った」 という意味になります。

sovereign の語源は 「主要な」 「第一の」 という意の古仏語 soverain 。

ここから 「君主の」 「王位の」、あるいは 「最高の」 「絶対の」といった形容詞となっています。

また、金融用語では 「最高機関の」 → 「国家の」 「公的な」 というニュアンスで用いられるので注意しましょう。

例えば、

sovereign credit は 「国家信用」、

sovereign debt だと 「国家債務」 「財布債務」 「公的債務」

の意味になります。

今日の記事でも

sovereign wealth fund で

「主権国家資産ファンド」 「政府系(投資)ファンド」、

つまり政府出資による投資ファンドを指しています。

instead of ~ は 「~の代わりに」 「~しないで」
「~ではなくて」 という言い方。

したがって、

instead of a counteroffer by sovereign wealth fund, Innovation Network Corp. of Japan

の部分は

「政府系ファンドの産業革新機構による対案ではなく」

ということです。

ちなみに、counteroffer は offer 「申し出」 「提案」 の前に「反対の」 「逆の」 「対抗~」 という意の接頭辞がついた形で、「対案」 「逆提案」 「反対申込」 という名詞です。

経営難に苦しむシャープが、経営再建のため台湾の鴻海精密工業から支援を受けることを正式に決定した、というニュース。

政府系ファンドの産業革新機構からの対案も検討していましたが、支援規模などで大幅に上回る鴻海案の方が再建実現可能性が高いと判断したようです。

鴻海はシャープ本体に出資する形で、事実上は買収となる見込み。

日本国内の大手家電メーカーが外資の傘下に入るのは初めてのことです。

■編集後記

最新の報道によれば鴻海はシャープの新たな債務情報を精査するために、買収契約延期したとのことです。つまり現状では全く白紙の状態です。これを受けてシャープの株価は126円まで急落しています。

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(裏)久々の快晴という感じの東京です。