#4130 トランプ氏、『一つの中国』 政策に疑問

Donald Trump Questions US ‘One China’ Policy

President-elect Donald Trump has voiced the question whether the US needs to stick to its “One China” policy in an interview with Fox News aired on Sunday.

■チェック

・question 【動詞】疑問を唱える
・”One China” policy 『一つの中国』 政策
・voice the question 疑問を口にする
・stick to ~に固執する → ~を堅持する
・air 放送する

■対訳

「ドナルド・トランプ氏、米国の 『一つの中国』 政策に疑問」

ドナルド・トランプ米次期大統領は、日曜日に放送されたフォックス・ニュースのインタビューの中で、米国が 『一つの中国』 政策に縛られる必要があるのか、という疑問を口にした。

■訳出のポイント

“One China” 『一つの中国』 は、中国大陸、マカオ、香港、そして台湾は中華民族の国家である “中国” の一部であるとゆう考え方であり、政策です。

通常は、

People’s Republic of China 「中華人民共和国」 が全中国を代表する唯一の合法的国家である、

との意味合いで用いられます。

そして、米政権も歴代、台湾を国家ではなく中国の一部とみなす『一つの中国』 政策を維持してきたわけです。

question は 「質問」 「疑問」 という名詞としておなじみの語ですね。

今日の記事でも、本文中では

voice the question 「疑問を口にする」

という形で用いられています。

一方、タイトルでは 「疑問を唱える」 「疑う」 「異議を唱える」という意味の動詞として登場しています。

つまり questions US ‘One China’ policy で

「米国の 『一つの中国』 政策に疑問を唱える」 ということです。

動詞 stick はもともと 「突き刺す」 「突き刺さる」 の意。

ここから、(ピンなどで突き刺して物を)「固定する」 「はりつける」「くっつける」 → 「執着する」 「固執する」 「堅く維持する」といった意味にも使われます。

stick to ~ だと、考えや習慣などについて

「~を堅持する」 → 「~に縛られる」

という言い方になります。

したがって、

has voiced the question whether the US needs to
stick to its “One China” policy

の部分は

「米国が 『一つの中国』 政策に縛られる必要があるのかどうかという疑問を口にした」 →

「米国が 『一つの中国』 政策に縛られる必要があるのか、という疑問を口にした」

ということです。

11日に放送された FOX ニューステレビの番組のインタビューで、トランプ氏は

“I fully understand the ‘one China’ policy, but
I don’t know why we have to be bound by a One China policy unless we make a deal with China
having to do with other things, including trade.”

「私は 『一つの中国』 政策を十分に理解している。しかし、貿易関係などで中国との合意が得られるというのでなければ、なぜ我々は 『一つの中国』 政策に縛られる必要があるのか」

と語りました。

米国が、台湾を中国の一部とみなす従来の政策を維持するかどうかは、中国の対応次第だといわん発言です。

相手を揺さぶりながら交渉を優位に運ぼうとする、百戦錬磨のビジネスマン、トランプ氏流のやり方とも受け取れますが、先日の台湾総統との電話会談に続く、挑発的な言動に中国側のますますの反発は必至でしょう。
■編集後記

トランプ氏の閣僚人事が注目を集めていますが、中でも運輸長官のイーレン・チャオ女史は台湾出身。中国との取引のカードとして台湾をちらつかせていますが一方で台湾の米国製武器輸入には大きな関心を示しています。問題はどちらが金になるか、ですね。

 

(裏)寒い日が続きますね。今日はおでんでも食べようか・・