#4033 ミュンヘンで銃乱射、9人死亡

Shooting Rampage in Munich Kills 9

At least nine people were killed and 27 more injured
Friday after an 18-year-old man with dual German and Iranian citizenship went on a shooting spree at a shopping center in Munich before committing suicide.

■チェック

・shooting rampage 銃乱射
・dual citizenship 二重国籍
・go on a shooting spree 銃を乱射する
・commit suicide 自殺する

■対訳

「ミュンヘンで銃乱射、9人死亡」

ドイツとイランの二重国籍を持つ18歳の男が、金曜日にミュンヘンのショッピンセンターで銃を乱射し、少なくとも9人が死亡、27人が負傷した。男はその後自殺を図った。

■訳出のポイント

shooting rampage は日本語の 「銃乱射」 に当たる表現です。

rampage は 「暴れまわること」 「凶暴な行為」 を意味する名詞。

そこで、shooting rampage は

「発砲して暴れまわること」 → 「銃乱射」 ということです。

また、本文で登場している shooting spree も同様に 「銃乱射」 を指します。

spree の方は、もともと 「浮かれ騒ぎ」 「バカ騒ぎ」 という名詞で「酒盛り」 「どんちゃん騒ぎ」 あるいは、ある活動について「やりたい放題」 「~ざんまい」 の意味でも使われます。

例えば、

a shopping spree は 「買い物しまくること」 「買い物ざんまい」 「爆買い」

の意ですし、

a killing spree だと 「殺しまくること」 「立て続けに殺すこと」 「大虐殺」です。

したがって、a shooting spree は 「銃を撃ちまくること」 → 「銃乱射」 となります。

今日の場合は、

go on a shooting spree で 「銃乱射(騒ぎ)を起こす」 「銃を乱射する」

という形になっています。

dual は 「ふたつの」 「ふたつの部分から成る」 「二重の」 という形容詞。

dual citizenship で 「二重国籍」 です。

そこで

an 18-year-old man with dual German and Iranian citizenship

の部分は

「ドイツとイランの二重国籍を持った18歳の男」

ということです。

某CMの 「結果にコミットする」 というフレーズで日本語に浸透した「コミットする」 という言葉の語源 commit 。

このフレーズの 「コミットする」 は、

commit to the result 「結果に対する責任を持つ」

という表現から作られた和製英語なのでしょう。

このように、commit は 「約束する」 「誓う」 「決意する」 といった意味でも用いられる動詞です。

ただし、今日の場合は、人が罪や過失など(通常ネガティブなこと)「を犯す」という意味で使われています。

例えば

commit murder 「殺人を犯す」、

commit an error 「間違いを犯す」

という具合です。

suicide は 「自殺」 ですが、murder 「殺人」 robbery 「強盗」 などと並んで、「自殺」 が “(罪を)犯す” という表現の範疇に入っているのは、我々日本人にとっては少し違和感があるかもしれませんね。

これは、キリスト教(カトリック)を土台とする西洋文化では、伝統的に

自殺 = “神から与えられた生命を自ら断つことは(神に対する)罪”

とされてきたからです。

現在社会ではこうした考え方は薄れていますが、commit suicide という表現として残っているのだと理解しておきましょう。

また、日常会話では kill oneself という言い方もよく使われるので、あわせておぼえておくといいですね。

ドイツ南部の都市ミュンヘンで22日に起きた銃乱射事件のニュースです。

買い物客で賑わうショッピングセンターの向かいにあるマクドナルドで男が突然店内の客に向かって無差別銃撃。

男はそのままショッピングセンターに侵入して発砲を繰り返したといいます。

その後、現場から約1キロ離れた場所で自殺を図ったとみられる容疑者が発見されましたが、銃乱射で9人が死亡、負傷者も27人にのぼりました。

男は、ミュンヘンで生まれ育ったイラン系の18歳ということです。
■編集後記

毎週、いや毎日のように銃や刃物によるテロ的な殺傷事件が報道されています。南部ニースで起きたトラック突入テロの記憶はまだ生々しく残っています。こうなってくるとリオ五輪は本当に警戒しなくてはいけません。先日もブラジルでテロを企てていたとして10人のブラジル人が拘束されています。競技会場は厳重な警備が敷かれていると思いますが、レストランなど人が集まる警備が希薄なソフトターゲットは要注意が必要です。

 

(裏)関東梅雨明けは今週の木曜から週末にかけてか。