#5840 ウクライナでクリスマス

Ukraine Celebrates First Christmas on December 25th Since 1917

Ukrainian Orthodox Christians celebrated Christmas on December 25th this year for the first time since 1917, a symbolic shift away from Russia.

 

■チェック

・celebrate Christmas クリスマスを祝う
・Ukrainian Orthodox Church ウクライナ正教会
・symbolic 象徴的な
・shift away from ~からの離脱、転換

 

■対訳

「ウクライナで12月25日にクリスマス、1917年以来初」

ウクライナ正教会は今年、12月25日にクリスマスを祝った。1917年以来初めてのことで、同国のロシアからの離脱を象徴している。

 

■訳出のポイント

orthodox の語源は「正しい意見」を意味するギリシア語 orthodoxos。

ここから「正統の」「公認された」という意味の形容詞で、特に宗教上で「正統派の」という場合によく使われる単語となっています。

通例
Greek Orthodox Church「ギリシア正教(会)」
Russian Orthodox Church「ロシア正教(会)」
という具合に使われます。

今日の場合は Ukrainian Orthodox Church で「ウクライナ正教(会)」というわけですね。

shift はもともと人、物、視線、注意、意見などを「移す」「変える」という動詞。

ここから位置、方向、状況、地位、意見などの「変化」「移動」「変遷」「変更」「交代」「推移」といった意味合いの名詞としてもよく使われます。

そこで shift away from ~ だと「~から離れる変化(移動)」→「~からの離脱」「~からの転換」という意味合いになるわけです。

本文末尾の a symbolic shift away from Russia の部分は、前の部分全体を言い換えた(=説明する)文節で「象徴的なロシアからの離脱」という意味になっています。

すなわち「ウクライナ正教会は今年、1917年以来初めて12月25日にクリスマスを祝ったが、それは象徴的なロシアの離脱である」と言っているわけです。

対訳では、わかりやすい自然な日本語にするために、2文に分けて「ウクライナ正教会は今年、12月25日にクリスマスを祝った。1917年以来初めてのことで、同国のロシアからの離脱を象徴している」としています。

ウクライナ正教徒が大部分を占めるウクライナ。

そのウクライナ正教会はこれまで、ロシア正教に従って Julian calendar「ユリウス暦」を用いていたため、クリスマスは毎年1月7日でした。

しかし、今年から西側諸国が使う Gregorian calendar 「グレゴリウス歴」を採用したことから、クリスマスも正式に12月25日に変更されたというわけです。

ロシアによる侵攻が長期化するウクライナでは、反露感情の高まりとともに、文化や慣習、宗教の面でもロシア離れが進んでいるようです。

言い換えれば、ウクライナが欧州(西側)との一体化への道を目指しているということですね。

 

■編集後記

これまで1月7日だったクリスマスが、いきなり12月25日になってしまうというのは、キリスト教徒にとっては非常に大きな意味があることでしょう。

日本では、明治5年にそれまで使われていた太陰暦(旧暦)から太陽暦(グレゴリオ暦)に改暦されたわけですが、その時も市民の間では随分混乱などあったのではないかと想像してしまいます。

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(裏)一昨夜、近所の(全く期待してない)スーパーLでローストチキンを買ったらこれが絶品だった・・