#4282 米企業、従業員にマイクロチップ埋め込み

US Company to Microchip Employees

A Wisconsin-based vending machine maker is offering to implant a microchip into employees’ hands for free. The rice grain-sized chip will allow them to use a copy machine, log in to computers, and purchase snack-food.

■チェック

・microchip (= implant a microchip) 【動詞】マイクロチップを埋め込む
・employee 従業員
・vending machine maker 自動販売機メーカー
・rice grain-sized 米粒ほどの大きさの
・copy machine コピー機
・purchase snack-food スナックを購入する

■対訳

「米企業、従業員にマイクロチップ埋め込み」

ウィスコンシン州を拠点とする自動販売機メーカーが、従業員に対して、手にマイクロチップを埋め込むサービスを無料で提供している。この米粒ほどの大きさのチップは、コピー機使用、コンピューターへのログイン、スナックの購入に使えるという。

■訳出のポイント

microchip は 「マイクロチップ」 という名詞であると同時に、

「マイクロチップを埋め込む」 という動詞でもあります。

つまり、

implant a microchip

と同じ意味になるわけです。

そこで、タイトルの

microchip employees は

「従業員らにマイクロチップを埋め込む」

ということです。

vending machine は 「自動販売機」。

今日の場合は、

vending machine maker で

「自動販売機メーカー」

になっています。

本文第1文の後半部分

is offering to implant a microchip into employees’ hands for free

は、直訳すると

「従業員の手にマイクロチップを埋め込むことを無料で提供(提案)している」。

つまり、

「従業員に対して、手にマイクロチップを埋め込むサービスを無料で提供している」

ということです。

【 allow (人) to V 】 は

「(人)に V することを許す」 の意。

これを本文第2文に当てはめると…

(人) = them (= employees) → 「従業員ら」

V = use a copy machine, log in to computers, and purchase snack-food  →

「コピー機を使う、コンピューターにログインする、スナックを購入する」

となります。

したがって、

「米粒ほどの大きさのチップが、従業員らにコピー機を使い、コンピューターにログインし、スナックを購入することを許す」 →

「米粒ほどの大きさのチップによって、従業員らはコピー機を使ったり、コンピューターにログインしたり、スナックを購入することができる」  →

「この米粒ほどの大きさのチップは、(従業員らの)コピー機使用、コンピューターへのログイン、スナックの購入に使える」

というわけです。

このチップは、

RFID (= radio-frequency identification ) チップ

と呼ばれ、電磁波によって通信し、端末に15センチ以下に近づけると情報が読み取れるというもの。

従業員85人のうち約50人が、親指と人差し指の間に注射器状の器具でこの米粒ほどの大きさのチップを埋め込むことを選択したそうです。

この会社によると、こういった試みは全米初。

現時点では、企業内の些細な用途ですが、将来的にはこの種の技術が標準化される可能性は大いにあるでしょう。

例えば、現在は、クレジットカードや携帯電話、電子マネーカードを RFID 端末にかざすことで実行されている支払いが、手のひらをかざしての支払いへと変化していくことが予測されます。

さらには、埋め込まれたチップが海外渡航時のパスポートになったり、公共交通機関のチケットとして使用できたり・・・

SF 映画のような場面が日常になる日も、そう遠くはないのかもしれません。

■編集後記

うちの2匹のチワワには首のあたりにマイクロチップが埋め込まれています。ここにワクチン接種の履歴が記録されています。これはシンガポールに移住した時強制的に行われました。他の東南アジアの国々ではよく野良犬みたいなのがいますがシンガポールではそのような風景を見ることはなく、全ての犬は国によって管理されているのです。でも人体にマイクロチップを埋め込むというのはやはり抵抗を感じますよねー。

 

(裏)夏休みになったので昼間から子どもたちをあちこちでよく見かけます